夏の事。

「お前がこんなことするなんて…どうした、なんか何かあったか?」

こうやって、毎日手伝いをする前、14歳のタケルにトラクタの操縦を教えていたのは、あかりの祖父。

みるみる運転が上達していくタケルに、祖父は信頼していた。


「…いや…なんでも…」

少しぼんやりしながら、タケルは祖父にこう言った。


「いや、なんでもの話じゃないだろう?
もう少しで土手に乗り上げる所だったんだ。」


そう言う祖父にタケルは


「そうだな…気をつけるよ…」


と、やはりどこかぼんやりした表情でそう言う。



「ホントにお前大丈夫か?」


「おう!大丈夫だ!!心配かけさせてわりぃなっ!!」


タケルは祖父に心配かけさせまいと、祖父にそう言った。


「そうか?気をつけるんだぞ?」


祖父はそう言って、遠くに止めていたトラクタに戻っていく。


ブォンッ!!


タケルは頭を切り替えようと思いつつ、再度トラクタのエンジンをかけた。


(よし、今は何も考えね)


しかし、物事はうまく行かなかった。