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（タケル視点）
（うっしゃあっ！！
今日は早く授業終わったぜ！！）
そう思いながら
いつもの様に自転車で＜田中農場＞の中に入っていく。
（あいつ…どしたんだべ……）
あの日、牛舎でホースの水をぼんやり見つめていたあかりを思い出す。
（なんか昨日から具合悪いっつって、家にいたから、顔出してやろうかな）
そう思い、
キッと田中農場の家の前に自転車を止め、鍵を付けた。
家の前。
ピンポーン。
家のチャイムをならす。
しかし、反応が返ってこない。
（いない…のか？
いや、確か今日は家にいるって、朝かーちゃんが言ってたし……）
朝、
母親が
「あかりちゃん具合悪いんだって〜」
と言う話をしていたのだ。
（…っあいつ、倒れてねーよなっ！？）
そう思い、
カシャン…
やっぱり開いた玄関で慌てて靴を脱ぐ。
あかりの部屋は２階。
トン…トン…トン…
慌てる感情をなるべく抑えるようにして
タケルは階段を昇って行った。
