夏の事。


「…ッ。フ………」


ポタポタと涙が落ちてきた。


(こわい…

こわい…


…なんで今更…?)



早く忘れてしまいたいのに。


なんであいつは軽々しく電話なんかしてくるの…?




「ふぇッ……う〜〜〜……」



部屋にあかりの泣き声が響き渡る。


「う〜〜〜〜!!!!!!」


あかりは怒りと悲しみの両方を堪えるように


ずっと泣いていた。


そして…


その会話を聞いていた人物が


あかりの部屋の外にいたことを


あかりは知らなかった。