夏の事。

「……私さぁ、見ちゃったんだよね。
あんたとあかねがエッチしちゃってるトコ。」


『…………えっ?!』


アヤトは動転したように驚いた様。


「あかねに言われたんだけど。
あんた私に「出来てないからやろ」って言った日に
私が飛び出した後あかねを呼んだんだってね…」


『いや…それは…その……』


「私と付き合ってる間もずーっとあかねとメールしてたって…聞いちゃったんだよ……?」


『いや、それは…違うんだっ!!』


「そんな言い訳なんか聞きたくないよっ!あんだけ散々、「結婚したいから」って言って、付けてって言っても中出ししてっ!!
赤ちゃんの写真に「気持ち悪い」とか言ってたくせに!!
それをいまさらなんなのっ!?」


『いや…だって…お前屋上に飛び降りて
しかも…ホントにデキてたなんて…思ってなくて』


「写真見せたのにッ?!」


『…作り物だって………』

あかりはそこで怒りを頂点に達した。


「……ねーアヤト。

あんたさ、私がどれだけ悩んでた分かってんのっ?!
どれだけ助けてって思って。アヤトの事頼ってたのに結局それでしょっ?!
なんなの?!
お金の事ならお母さんに言ってよッ!!」


堰を切ったように言った。

『イヤ、それは…っ!!』


「いやそれはなんて言う言い訳聞きたくない!
あんたとなんか話したくない!!
もう私になんか電話して来ないでっ!!」

『あかりっ……』

あかりはバチンッと携帯電話を閉じた。