夏の事。

ピルルルル………


その電話の着信音は来る日も来る日もあかりを苦しめた。

ビクッ!!


着信が鳴る度に

あかりの体が反応する。


(いやだ…何がしたいの?
もう私なんかほっといてよ…)


そう思っているのに。



毎日の様に来るアヤトからの着信に


(あーもう、いー加減にしてッ)

そう苛立ち。


「……もしもし?」

あれだけ出ないと決めていた携帯を
出てしまったのである。