それでも1週間続いてるのは

搾乳をし終えた牛達を牛舎の外へ放牧する為に外に出て見る

地平線から出る朝日。


6月と言ってもまだ肌寒い日があったりすると、

外の外気の寒さと牛の体温から出る湯気が朝日に当たってなんとも幻想的に見えるため

あかりはいつもその風景を見ると

「キレー……」
とつぶやいてしまう。


タケルは仕事中はとても厳しいけれど

「ハイ、お疲れさん」

と、いつも朝の最後の仕事である牛乳の集荷機の菅を洗った後に

煮沸した牛乳を出してくれる。


少し市販のものよりは薄いけれど、ほんのりとした甘く、美味しい。


だから、あかりはイヤイヤながらも、朝早く起きてタケルの家の牛舎に来てしまうのだ。


それでも

「こらー!!
糞を片す時はもっとスコップで寄せて、スコップを奥深く入れろって言ったじゃねーかぁ!!」


と、都会育ちのあかりにとっては、

糞尿の処理や、とつぜん牛の尾が上に上がり、シャーと水道水を勢い良く出すかの如く糞尿が出す姿には、慣れるのに時間がかかりそうだ…と思うけど。


それでも、あかりには新鮮な事ばかりだった。