夏の事。

「ヒッ…グスッグスッ……」


祖母の胸で涙を流すあかり。


そんなあかりの姿を見て祖母は


「ね、あかり。
一回、ばあちゃんと一緒に逃げないか?


ばあちゃん、あかりのお父さんとお母さんと話し合わなきゃいけねぇけど、昼間、あかりの様子を見て、あかりはここにいたらもっと壊れる…そう思うんだ。

だから、じいちゃんもいる「村」に一回、来ないか…?」



「で…でも学校とか…」


グスッグスッとあかねは涙が止まらなく、祖母に問い掛ける。


祖母はあかりの背中をさすりながら


「だから言ったべ。
若い時は何度踏み外したって、それでも同じ道に戻るって。

ばあちゃんに任せとけ。」

あかりは、その祖母の言葉に、ずっと抱えていた「泣きたい気持ち」が込み上げた。


「ヒッ…ヒッ……うわぁぁぁぁぁ〜んっ!!」


あかりは久しぶりに祖母の前で泣いた。

堪えてた心の叫びが、泣き声と共に昇華していく…

あかりはそんな気がした。