夏の事。

「…あなたどういうつもりよ……」

その沈黙を破ったのは、母だった。


「うちの娘を傷物にして、ここまで追い込ませて!!
のこのこ、良く来れたわねっ!!

なんであかりがこんな事をしたのか、知ってるならあんた教えなさいよ!!」


「そ…それは…」


口をつぐむアヤト。


「こちらにだっていろんな手段くらい用意してるのよっ?!

金は出すとかほざいてんだったらね、ちゃんと両親もと連れて来なさいよっ!!」


「………」

口をつぐむアヤト。


母はそんなアヤトの胸倉を掴んだ。

「「さゆりっ」」
「古谷さんっ」

その場にいた父と祖母と刑事が止めに入る。


その一部始終を見てガタガタと震えていたあかりは


「うわぁぁぁぁぁぁぁ〜!!!」

と発狂した。


「あ…あかりッ!!」


祖母がナースコールを押す。