夏の事。

放課後。
ポンと肩を叩かれた

振り返るとやっぱりあかねだった。

「なぁんで無視しちゃってるのぉ〜?
ねぇ、ちょっと話さない?」


そう言って、あかねは舌で上唇をペロッと舐めた。


あかりは断り切れなく、あかねに促されるまま、冬の肌寒い屋上に来ていた。



木枯らしが吹いてる中、最初に口を開いたのはあかりだった。


「…いつから関係持ってたの?」

「ん〜とぉ〜あかりとアヤトが最後に会った時かなっ」

妊娠検査薬を使った「あの日」だ。

あの「喘ぎ声」もあかねのものだったなんて…!!

「な…なんで?!」

「それはねぇ〜、アヤトの事ずぅっと狙っていて、ようやく呼び出しがかかったの

あかりがヤらせてくんなくて別れたーって。

そう電話してくれたから、アヤトのトコ行ったんだよぉ。

ずーっと、メールのしあっこしてたんだよぉ?
知らなかった?」

あの時、あかりはアヤトと別れたとは思ってなかった。

けど、アヤトは別れた…そう思ってたんだ…。


「良い事教えてあげよっか。

私ねぇ、あかりが彼氏いることにも、勉強の順位が私より高いことにも許せなかったの」