<○△産婦人科・婦人科>

あかりはそう看板に書かれている、こじんまりとした病院に入る。


確証が欲しい。
欲しくない。
欲しい。
欲しくない。



この病院には、白い壁に薄緑色の背景に白い花びらのソファーが置いてあり

奥には小さな子ども用にと置かれてあるのであろう、絵本やぬいぐるみ、子どもが遊ぶおもちゃが置かれてあった。


あかりはそれらを見て、何だか、自分がここにいては行けない気がした。

受付を終え、


「尿検査をして下さい」


看護師の極めて事務的な促しに対し、尿検査を終える。


尿検査と聞いて、何かの本に、おしっこだけで妊娠してるかどうか分かると知っていたあかりは、昨日の妊娠検査薬で見た印で不安になる。

(……生理が遅れてるかどうか確かめるだけ)

具合が悪いのも眠たいのも、体調が優れなかった。
それだったら安心するじゃない。

どうしよう…。
「でも、」診察受けないと安心出来ない。
「でも、」検査薬は印が着いていた。


生理が遅くなっていただけ。
検査薬も間違えがあるって、何かの本で見たような気がする。



でもあの気持ち悪さとか眠気はなんだったの?




「古谷さーん、古谷あかねさーん」



そんな不安も束の間、看護師に診察室へ入るよう、促された。