夏の事。

至近距離で見つめ合ったタケルとあかり。

ドドドドドド……。

タケルの心臓の音は先程より大きく高鳴っている。


(やべぇ…どうしよ…、い、言わないと怖がれちゃうよな…?)


元来人懐こいタケルは、初対面の相手とは何の気に無しに付き合う事が出来る。

しかし、元来優しいのか、なんなんなのか分からないが、恋愛経験値ゼロのタケルは、こう言う時どうするかが分からない。


「あ…あのさ…」

そう言い、言葉をつぐむタケルに


「な…なに…?」

と、少し俯き加減で答えるあかり。


(えーい!!でも行動に起こさんと!!)


そう思い、


「お、俺、お前の事好…!!」


そう言った瞬間。


動揺したのかあかりは

トン…と、タケルを押しやり、本棚を見、


「あ、この本読んでんのっ?!私も読んでるっ!!」


とわざとらしく言う。


フェイントをくらったタケルは


(……やっぱダメって事なのか…?)

と少し落ち込む。


「これ面白いよね〜、あ、続きある。
借りても良いっ?」


まくし立てる様に言葉を続けるあかりに、タケルは段々腹が立ってきた。


「お前、いい加減こっち向けよ…」


「え…?」



背後からあかりの手首をグッと掴む。


「タ…タケルッ!?」


タケルはバッとあかりを振り向かせ


「お前最近なんなんだよっ!!

…なんで、避けてんのっ!?」


「わ…私…そんなこ…」


そう言ったあかりに


バッ…


半ば勢いで顔を近づけ、唇に柔らかいものが当たった。