夜。

『良いかっ!!おめぇ今回それで引き下がったら後悔するぞ!!』

タケルはベットの上で、仰向けになりながら、日中シンに言われた言葉を思い出していた。


(…だってよ……。全然俺ん事見てくれなくなったんだもん、しゃあねーじゃねーか…)

グチグチ考えていた時


下に来客があったらしい。


姉のひとみが

『あらぁ〜、あかりちゃん、どうしたの〜?』


と接客する声が下から聞こえる。


(あ、あかりっ!?)


どきーんっ!!!!


日中、シンにあんな事を言われただけに、動揺を隠しきれない。


『ばあちゃんが、おかず作り過ぎたから、持って行きなさいって…。』

『あらぁぁ〜ありがとぉ〜!!』


『それじゃ…』と帰ろうとするあかりを


『待って!?』


と引き止めたひとみは

『タケル、上にいるから、良かったら上がって行きなさいなっ』


と言う。


更にドキーンとしたタケルは耳をダンボに下に集中する。


『で、でも、明日も早いし…』

そう言うあかりに、


『なぁに若いモンが言ってんのよ〜!!

だぁいじょうぶ!!多分あいつも起きてる筈だから!!』

『あ…ちょっ!!』

強引に靴を脱がせたらしい。


『良いから良いから。上で待ってて?
お茶用意するからっ!!』

とひとみは言った。


タケルは、恥ずかしさのあまり

(ひぃとぉみぃぃ〜!!)

と、寝たフリを決めようと思ったが、相手はあかりだ。


ドキドキとしながらベッドを降り、右往左往した。