夏の事。

けど、単なる男女間の亀裂から始まった中絶ではないと感じたタケルは


「でも、お前はここに来るまで色んな人に傷つけられたんだろっ?

だからここに来たんだろっ?!


もう体は大丈夫なのか…?」


あかりはその言葉を聞き、ポロポロ涙が出てくる。

「そんなのあんたには関係ないでしょ?!

なんで幼なじみのあんたにそこまで心配…」


そう言ったときに


ギュ……。
ぬくもりに抱きしめられていた。


「心配だから、聞いてるんだろ…?」


あかりはそのぬくもりに、何も言えなくなる。


「………ッ」

涙が嗚咽に変わって来て。
まだ、ここまで気持ちが不安定だった事をあかりは感じた。


ポロポロ…涙が流れ、嗚咽が混じった声で


「離してよ…!!!」


ドンッとタケルを突き飛ばし、バタバタバタバタと襖を開け、階段を駆け出していた。


茶の間から出て来た、タケルの母が


「あかりちゃん…!?」

と驚いた様子で、靴を履いてるあかりに


「タケルになんかされたの…?」
と引き止めようとする。


「………ッ」

ガチャッバタンッ!!


靴を履いたあかりは玄関を飛び出していた。


「あかりちゃんっ!!」


そう言って、あかりを引き止めようとしたタケルの母を尻目に…。