夏の事。

ガラっと開けたタケルの部屋は、じゃらじゃらと色んな装飾品が並んでたアヤトの部屋と違い、テレビ、本棚と少しの漫画雑誌があるくらいの殺風景な部屋だった。


ベッドに横たわり、何事か考えていたタケルはあかりに

「父さんに何か言われてきたんだ…?」

と聞いた。


あかりは、いつもと違い、覇気がないタケルに

「ん…そう。なんかボケっとしちゃてるから休ませてるって聞いてね」


「何かやらかした」とは言わなかった。


「そんなに元気無かったかなぁ…。
ま。
乳房炎の牛に搾乳器付けちゃったり、トラクタば土手に乗り上げようとしてたら当たり前か。」


「は…っ!?」


あかりは耳を疑った。
タケルは仕事の手伝いを始めた当初、あれだけ、牛を見て搾乳しろと、こちらの耳が腐るほど言ってた筈。

普段から細心の注意を払っていた筈なのに…。

だからあかりは

「な、なんでタケル、そんな事したの…!?」

と、少し責める口調でタケルに問いてしまった。


「…わっかんねぇんだ。
でもただ一つ言える。

…お前、妊娠とか、中絶とか…どういうことだ…?」