「…?」

その時私達から少し離れたところで様子を見ていたうさぎが首をかしげた。

「なに?」

「…いや、なんでもない。」

「変なの~。」

「いいか、聖歌。
こいつと会う時は俺の所に来なさい。
帰りは家まで俺が送る。
そうすれば何かあっても直ぐに助けられるから。」

「げっ…。」

「良いの?雪お兄ちゃん!
今だってかなり迷惑かけてるのに…。」

「何言ってんだよ!
俺は迷惑だなんて一度も思ったこと無い。
それに俺達家族みたいなものだろ?
そんなに気をつかうな。
聖歌が来なくなったら、俺のほうが寂しくて泣く。」

「ぷっ、くすくすっ!」

「笑い事じゃないからな~?」

「だって~!くすくすっ!
私がいなくて泣くお兄ちゃんの姿なんて想像出来ないんだもん!ふふっ」

気持ちが温かくてくすぐったい。
やっぱり雪お兄ちゃん大好き。

「いつまでも笑ってるとくすぐりの刑に処するぞ!」

「キャー♪」


「人放置して堂々とイチャつかないで下さい。
はぁ。とりあえず俺は帰ります。
諦めるつもりは無いので覚悟していてくださいね!」

ニッコリ笑って出入口から出ていくうさぎを見送ってほっとため息をついた。