オパール・オッドアイ

「なんかあった?」

「え?」

「さっきはああ言ったけど姉ちゃん海で溺れるほど疲れていたようには見えなかったし、溺れてからも様子変だし。」

「そうかな~?」

「そうだよ。
心ここに在らずって感じ。
それに喋ってないとき眉間にしわ寄せてる。
考え事している時の癖だよ。」

「人相悪くなりそうな嫌な癖だね…。
気をつける。」

しばらく眉間をもんでみるもののどうしても力が入ってしまう。

うさぎは泳ぎ、雪お兄ちゃんは浜辺を散歩、るーちゃんは食事の片付けで家に戻っている。
今パラソルの近くには私たちしかいないのを確認してから話し始めた。

「るーちゃんに、うさぎと雪お兄ちゃんのどっちが好きか聞かれたんだけど答えられなかった。」

弟にこうゆう事を話すのはどうなんだろうと思いながらもやっぱり甘えて話してしまう。

「なんだ、そんなこと?
姉ちゃんはどっちも嫌いじゃないんだよね?
嫌いなら逃げるし、こっち来るなオーラビシビシ出すし。」

「そんなことって…。
もちろん二人とも好きだよ?
…てかそんなに酷い拒絶反応してるんだ私。」

「そんなことだよ。
今は好きならそれで良いじゃん。
そうゆうのって、その人たちとつき合っていく中で自然と意識が変わっていって分けられるもんじゃないの?
第一、姉ちゃんは人との関わりが他の人と比べて極端に少ないんだから判るわけがない。
考えるだけ無駄。」

「何もそこまで言わなくても。」

「んなこと考え込んで溺れるくらいなら最初から考えるな。」

「もしかして琥珀、怒ってる?」

「当然。
しかもそんな理由で溺れた姉ちゃんを本気で心配した自分が可哀相になってきた。」

「ごめんね。」

「それはもう聴いた。」

「以後気をつけます。」

「本当に気をつけろよ?
普段からぼ~っとしていて、気が付いたときにはもう死んでそうで怖いんだから。」

「今に始まった事じゃないけど琥珀の私にたいする認識って結構酷くない?」

「そう思うならもっとしっかりしてください。」