オパール・オッドアイ

そんなやり取りがほぼエンドレス状態で続く。

よくネタが尽きないものだ。

自分のことを話しているのにどこか他人事のように論争を楽しく観賞していた私に雪お兄ちゃんがいきなり話をふってきた。

「そういえば、聖歌。
体調大丈夫か?」

「え?なんで?」

「いや、今はそうでもないから良いんだけど顔が赤かったから熱でもあるのかと」

「え!?
う、ううん!熱無いから!風邪ひいてないから!大丈夫!」

思い出してまた少し顔が暑くなる。
その様子を見てうさぎが嬉しそうに笑うのが悔しい。

「別に隠さなくていいのに~。
本当に反応が素直だな。」

なんの話か解らないながらも私達になにかあったのは察したであろう雪お兄ちゃんは私とうさぎを交互に観ている。

聞き出される前に話題を変えなければ。

「あ、そうだ!
雪お兄ちゃん、琥珀から伝言預かってるよ!」

「ずいぶん珍しいな。
最近あいつ小言ばっかり言ってくるんだよ~。
今日もその類か?」

「え~と、たしか
『ぼ~っとしてるとどっかから鷹が湧いて掻っ攫われちゃうよ。』
だって。
意味聞いても教えてくれなくて…。
雪お兄ちゃんに聞けば解るんじゃない?って。」

「!
…ふ~ん。
面白いこと言うなあいつ。
相変わらず勘が良い。」

「琥珀の言ってること解るの?」

「何となく、ね。
聖歌は知らなくて良い事だよ。


私だけのけ者にされているようで面白くない。

むくれていると雪お兄ちゃんに頭をなでられた。

「そんな、むくれないで。
可愛い顔が台なしだぞ?
俺からも伝言の返事頼むよ。
『御忠告ありがとう。
鷹なら目の前にいるけどみすみすご馳走を譲ってやる気は無い。』
って琥珀に伝えてくれ。」

「わかった。」