オパール・オッドアイ

「雪お兄ちゃん、今晩は~。」

「いらっしゃい、聖歌。
今日もこぶ付きなのか?
たまには前みたいに一人で来てくれよ~。」

「今晩は雪夜さん。
そんなことしたら俺うさぎだから寂しくて死んじゃいますよ?」

「うさぎは寂しくても死なないしお前は人間だ。」

「え?
うさぎって寂しくて死んじゃうんじゃないの?
雪お兄ちゃん。」

「それは迷信だよ、聖歌。
うさぎさんは寂しくなっても死なない。
聖歌は迷信とかに弱いな~。
可愛いからいいけどね。」

「雪夜さんがそう育てたんじゃないですか!
おかげで聖歌、頭は良いのに妙なところで知識がひん曲がってたりするんですよ!?
どうするんですか!」

「俺がフォローするから大丈夫だ。
それに天然で可愛いだろうが。」

「可愛いです。可愛いですけど天然を造らないで下さい!
これはもう天然じゃないですよ!?」

最近は二人が私の教育方法について論争しているのを店の角に設けられている飲食スペースでお茶を飲みながら観賞するのがマイブームだ。
これでなかなか面白い。

「雪夜さんは聖歌に現実を見せな過ぎる!
今時困った時には妖精さんが助けてくれるとか信じている子供いません!」

「妖精さんっていないの?」

「そんなことないぞ?
恥ずかしがり屋だから出て来ないだけで本当に困ったときにはそっと助けてくれるんだ。」

「じゃああの時助けてくれたのも妖精さんだったのかな?
無くしちゃったと思ってたお気に入りのブローチがポストに入ってたことがあったんだけど…。」

「信じるな聖歌!
それは雪yもがっ!
「きっとそうさ。
聖歌がいい子にしていたから来てくれたんだ。
よかったな~。」
む~!ん~!ぶはっ!!はぁっはぁっ。
また貴方は~!!!」

「どうしたんだ?椋兎。
顔色が悪い。」

「誰のせいだと思ってるんですか!」

「お前が悪い。」