「やっぱ変わってるよね…。
ああ、ごめん。」

すぐに手を離して元の髪型に手ぐしで戻しながら謝るうさぎの顔は嬉しそうだ。

「なんなの?いきなり…。」

「俺を見る目の色が変わってきたな~と思って。
前は青とか黒とかあまり良い意味じゃなさそうな色していたのに、最近ではそれが少なくなってオレンジ色が入るようになってきたから。
しかも結構明るめのオレンジ。
聖歌観ていて思ったんだけど暗い感じの色は悪い意味で、明るい感じの色は良い意味なんじゃない?
少しは俺に良い意味で興味もってくれたのかな~って思ったら嬉しくて。」

「!!!」

全部当たりだ。
前はうさぎの事が嫌で嫌でしかたがなかったのに最近ではそこまで嫌じゃない。
それどころか興味も沸いてきて自分からうさぎに質問メールすることも増えてきた。
それにうさぎの言う通り、明るいオーラの色は良い意味を示す場合が多い。

「~~~!
知らない!」

ぷいっと横を向いてこれ以上うさぎに顔が見えないようにする。
顔の暑さからして首から耳まで真っ赤だとは想像出来たけど そのまま見せるのは少し抵抗があったので悪あがきだ。

それがますますうさぎを喜ばせる結果になったのは言うまでもないだろう。

「可愛い。
欲を言えば、あの紫陽花みたいに君の瞳も青から優しいピンクに変わってくれると天にも上る気持ちになれるんだけど。」

「私は雪お兄ちゃんが好きなの!」

ただでさえうさぎオーラのピンクが増えてきて戸惑っているのに。

「知ってるよ。
まあ、地道に落とすさ。」

そう言いながら笑ううさぎが格好良くキラキラ輝いて見えて一瞬ドキッとした。
恐るべし雨の日ライト・マジック。

収まりかけた顔の熱が再び上がるのを感じながら雪お兄ちゃんの待つ私のオアシスへ向かった。