オパール・オッドアイ

「第一何でいつも保護者付きでしか会えないかな?
俺としては二人っきりで会いたいのに。」

「嫌なら会わなければ良いじゃない。」

白詰草の優しさ香りが鼻を掠める。
うさぎと出逢った公園に目を向けると、可愛い白い花が一面に敷き詰められていた。
月明かりを反射して淡く光って見える。

「わぁ!凄い綺麗!!
それに良い香り~。」

雪お兄ちゃんに会いに行く途中だけど少しだけ寄り道。

後ろに付いてきていたうさぎも公園に入る。

「冠作ろうかな?」

座り込みちょうどいい長さの花を摘み取りながら編んでいく。
久しぶりに作ったけど意外に忘れていないものだ。
途中違う花を入れてカラフルになっていく。

うさぎはベンチに座って目を細めながら私を見ている。

「なに?」

「いや綺麗だな~って。」

「花冠作り小さいころ得意だったの。」

「そうじゃなくて…。
花冠もだけど君が!
月明かりが当たって光って見える。
幻想的って言えば聴こえは良いけど、なんか幻みたい。
触った途端消えちゃいそうで少し怖い。」

「貴方、時々気障なこと言ってくるよね。」

「本心なんだけどな~。」

苦笑いするうさぎ。
性格は何でも、顔は良い部類に入るのになんでこんな幽霊もどきに構うのか。
寄り好みしなければ引く手数多だろうに、残念なやつ。

「よし、花冠完成!
仕上がりも上出来~!
あ!四つ葉!!
雪お兄ちゃんに持って行こう。」

そこまで言うと突然うさぎに押し倒された。
この体制になるのは二度目だ。
白詰草の花の香りがより強くなり、花冠が頭から落ちる。

「どうして俺のこと見てくれないの?」

「だって貴方は私のことをすきじゃないから。」

そう。まだこの人はそこまで私の事を好きじゃない。

「は?」

「邪魔。どいて。」

睨みつけるとゆっくりどいた。

さっさと起き上がって花冠を被り直しコンビニに向かう。

後ろにはうさぎ。
来たときにはあった会話が今はない。