オパール・オッドアイ

「本当にしつこいやつに好かれたな。
とりあえずこっち来な。傷は…洗った方が良いな。洋服は、しょうがないからそのままで帰るか。
それにしても何があったらこうなるんだ?
背中は汚れてるし、ひざは擦りむいてる。腕にはかすり傷に青あざ。」

「…いろいろあったの。」

腕は確実に落下中木の枝にぶつけてできたもの。

ひざは一番始めに地面について少し皮を砂利にもっていかれた。
ヨガさながらの格好で着地。
普通だったら骨折ものだろうけど私が体が柔らかかったのと、不本意ながら、うさぎが支えてくれようとしたおかげで免れる事が出来た。

背中が思いっきり汚れたのもうさぎのおかげだが。

「そっか。
今日は疲れただろ。家でしっかり休めよ?」

「そうする。ありがとう、雪お兄ちゃん。」

雪お兄ちゃんは車でコンビニに来ている。
休憩のときに仮眠室を使いたくないという理由で歩きでも自転車でもない車に決定したらしい。
(本来なら車を出す必要はない距離に家がある。)

そして本当はもし今日のように夜が明けてしまったとき一目を嫌う私のためにあまり顔が見えない車にしたこともなんとなくわかっている。
この人はとことん私に甘い。

「こら!俺といるときは前髪留めるか結ぶかにしておけって言ってるだろ!
視力落ちるし、また転ぶぞ?」

「えー、だってー」

「だってじゃない。ほら!こっち来なさい。」

「う~。」

渋々雪お兄ちゃんのそばに行く。

「それでよろしい。」

また何処から取り出したのかわからない綺麗なビーズのついたピンで前髪を留められる。

「うん、可愛い。」

「ありがとう。」

そんなこんなで章の冒頭にもどる。