「仕事、休めたの?大丈夫?」


お母さんがちょっと心配そうに聞いた。


「大丈夫。別の日に残業するって言ったから。――つーか、なんでヒカルは、もう泣いてんの?式、まだ始まってもいないのに」

「だって、大くんがもう1年生なんだなぁって思ったら、なんか、色々こみあげてきちゃって……」

「お母さんったら、泣き虫だなぁ。なぁ大翔?」


そう笑うお父さんも、目のはしっこにキラリと何かが光って、ぼくは笑ってしまった。


「お父さんも、お母さんも、泣いてばっかり。そんなことじゃ、ぼくがシシュンキやハンコウキになったとき、大変だよ」


お父さんがちょっと驚いた。


「そんな言葉、どこで覚えるんだ?」

「信也が言ってた」


すると、お父さん苦笑い。