しばらくして、窓の外に目をうつす。 晴れた空と、遠い町並み。 手前に青々と生い茂る木々。 ――いい家族に なれるだろうか。 ちゃんとした父親になれるだろうか。 本当の戦いは、たぶんこれから。 だけど俺は決めたのだ。 大翔に後悔させたくない。 あの幼い笑顔を守りたい。 今、親として未熟でも、 アイツがいつか、 生まれてきてよかったと思えるように―― 風が吹き、新緑がキラキラ揺れた。