「なんにしても、あなたはいい家族をもって幸せ者」 「まぁ、信也は家族っつーか。親戚っつーか」 「私、昔、親から暴力を受けてたから」 俺は目をしばたいた。 彼女はスッと視線をそらせた。 「両親は私を生んだことを後悔してた。 私も、彼らに育てられるより、施設に預けられたほうが良かったと思う」 「……」 「薫を信じてないわけじゃないけど、あの赤ん坊に、自分を重ねてしまったわ」 「……そっか」 夕貴は黙ってジュースを飲む。 透明な瞳が少し、揺れる。