――信也が眉根を寄せた。 「…後悔しないか?」 「…決めたんだ」 拳を握ると、信也がボソッと言った。 「フン、急に大人になったみたいな顔してよ」 それきり少し、静かになった。 カーテンが、フワッとふくらむ。 棚の上に飾られた花が揺れた。 しばらくして、俺は口を開いた。 「さっきから、気になってたんだけど、そこに生けてある菊って何なの。俺を葬式に出したいの?」 信也が顔をしかめた。 「いや、あれは俺がやったんじゃない」 「じゃ、誰が?」