……。

夕貴がホント?

信也がホント?


俺は、店を出て、1人街を歩いた。

夕貴の言葉が脳裏によみがえる。

「あなたの発言で、大体の事情は分かった。

だますような真似してごめんなさい。

私、情報屋まがいなことしてるから、深刻な顔の相手を見たら、とりあえず、こっそり情報を引き出すことにしてるの。

そのほうが真実が聞けるしね」


「で、あなたは勘違いしてる。

私、妊娠どころか、そもそもあなたと関係をもってすらいないのよ。

あの時あなたは泥酔してたから記憶がないでしょうけど」

「私のDNA鑑定をしてもいい。

でも、やるなら、叔父さんを介さず、正規のルートでの鑑定にして」




……信也。

まさかまたドッキリだとか言わないだろーな。

こんなの、冗談じゃ済まされないぞ。



俺は不安にかられ、足を速めた。