いつも強がりだったキミへ

そっと手紙をたたんで、封筒に入れようと思った時


三つ折りに入っている紙をもう一枚見つけた。



「・・・隼ちゃん」


とっててくれたんだ。



中に入っていたのは、私達二人の名前が入って印が押してある婚姻届だった。


安くて狭いアパートを借りて二人で、いろんな事を経験しながら暮らしていた。






初めて、そのアパートで住むことになった夜。


隼ちゃんは、そっと私に白い紙を渡した。



私が、これは?と聞くと




俺のは、もう押してあるって



さゆが、いいのなら....押してください。って、いつもと変わらない、その強い目で私を見つめて言ってくれた。




それは、誰が見ても見間違えない



婚姻届でした。




私は迷わず、名前を記入して印を押した。