いつものように梨斗があたしに飛びついてこようとする。 「あー………。アカンなぁ?梨斗?」 今日は何故か慧が止めに入る。 「えー?何で?」 梨斗はブーブーほっぺたを膨らませる。 そう言うと慧は自分の耳を指した。 「――あ、」 そしてあたしを見る。 ………何なんだ? 「…ちぇー。俺も早く手ェ打っときゃよかった―」 そう言ってガクリと肩を落とす。 ………何なんだ、一体。