「あーもー、また泣きそうな顔して……」



ソイツは自分の胸にあたしの顔をあてる。



「辛かったら泣いてもいいんだよ?

無理に
感情を押し殺さなくてもいいんだからね?

ほら、
こーすると泣き顔なんて見えないでしょ?」



ソイツはそう言ってあたしの頭をポンポンと

まるで
母親が子供をなだめるようにあたしの頭をなでた。



ソイツはとても温かくて

とても懐かしかった。




「……グスッ………」



「ガマンしない、ガマンしない、」



その言葉にあたしは

ネジがはずれたように泣いた。



「ふぇぇぇぇぇぇぇえええ」