「ごめんなさい、やっぱり忙しいです」 いまどき風の、若者。 ただし、男だった。 声で気付けよ、俺のバカ! 「え、ちょっとでいいからさー」 「急いでいるので!」 さっさと立ち去ろうとすると、 男は俺の前へと回り込んできた。 「じゃあさ、メアドだけ教えてよ!」 「携帯持ってません!」 嘘をつき、 そして俺は走った。 今まで生きてきた中で 一番じゃないかと思うような速度で。 そして前を歩いていた、 誰かにぶつかってしまった。