「もうさ、次見た時は勇気だして話しかけなよ。」


『そんな…無理だよ~』


と机に顔をつけてうなだれる私の頬をグニッと美緒が掴んだ。


「あんたねっ誰かを好きになるってホントはすっごい難しいことなんだから。自分のタイプの人でも好きになるとは限らないし、だから付き合うことが出来るなんて本当に奇跡なんだよ。こんなにたくさん男がいる中で楓はその人のこと好きになれたんだから頑張りな!!私なんて恋したいのに好きな人が出来なくて困ってんだからね!」


私の頬から指を離して腕を組みフンッと顔を逸らす美緒を見て、思わず口元が緩んだ。