先輩と私の家までは10分もかからなかった。 なぜ今まで気付かなかったんだと若干悔しい。 《もうここでお別れか…》 「今日は疲れたね」 と目尻を下げて笑う先輩に私の全神経が奪われる。 先輩の笑顔がもっと見たい… 見ていたい。 話したい。 触れたい。 「楓ちゃん?どうかした?」 ボォっとする私に先輩は心配そうに首を傾けて聞いてきた。 『……………好きです』