海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



残された仁藤は頬を少し膨らませた後、微かに笑みを浮かべた。




改札を出て、駅の外へ出ると、駅前に旅館のワゴン車が迎えに来ていた。
全員が乗り切れない為に、浩二と、仁藤を含めた一年生5人が残る事になった。


「おばさん、今日からお願いします。」

汐莉が頭を下げると、生徒の荷積みを手伝っていた旅館の人が、

「しおちゃん、久しぶりだね。せっかくだから、楽しんでいってね。」

と、汐莉のそばにより、汐莉の荷物を預かった。