海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「けど?」

「けど、ともちゃんが埋めてくれるのなら、それもありかなって。」

「…松浦先輩…、うれしいんですけど、ちゃんとこっちを見て言ってくれませんか?」

仁藤は、再び窓の外を見ながら言葉をつなげた浩二のシャツを引っ張った。

「さて、常滑だ。着いた着いた。」

電車のスピードが緩まり、浩二は、仁藤を摺り抜け立ち上がった。