海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「怒っちゃいました?…ですよね…、踏み込み過ぎですよね…。」

仁藤は、俯いたまま席を立とうとした。

「別に…怒ってはいないよ…。ただ、確かに踏み込み過ぎかもな。」

浩二は、仁藤を見た。

そして、言葉を探す仁藤に笑みを浮かべると、

「ともちゃんが、埋められるような空洞ではないと思うよ。けど……。」

と、言葉を切った。