汐莉は何かを夢中で福永と話しており、浩二達の視線には気付いていなかった。 「はい…。」 消え入りそうな声で仁藤が返事をした。 「そう…。そんな事を…。空洞…ね。」 浩二は、窓の外に視線を移したまま、黙り込んでしまった。 「松浦先輩?」 仁藤の声に反応は示さなかった。