「別に怒っていないし、仁藤さんは俺の為を思って言ってくれたんだから…。」 「ホントにごめんなさい…。トモはただ…。」 「ただ?」 「しおりん先輩が…、松浦先輩の心には穴が空いたままだって。いや、穴じゃなくて洞窟のような空洞だって…。私はそれを埋めたいんです。」 「しぃーちゃんがそんな事を?」 浩二はちらっと離れた席にいる汐莉を見た。