海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「別に怒っていないし、仁藤さんは俺の為を思って言ってくれたんだから…。」

「ホントにごめんなさい…。トモはただ…。」

「ただ?」

「しおりん先輩が…、松浦先輩の心には穴が空いたままだって。いや、穴じゃなくて洞窟のような空洞だって…。私はそれを埋めたいんです。」

「しぃーちゃんがそんな事を?」

浩二はちらっと離れた席にいる汐莉を見た。