福永は、両腕を激しく振り、本当に浩二の事を憐れんでいたが、自分に矛先が向かないようにするのに必死だった。 汐莉の機嫌が斜めなのは、昨夜が暑くて寝不足なのを電車を待つ間の会話から知っていた福永は、 余分な種を蒔くのを避ける事が出来た。