海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「今、俺が座ったら、睨んだろ?」

仁藤は呆気にとられたまま頷く。

「それは、邪魔をされると思ったからだ。そうじゃなかったら、隣りに座られて相手を見るのに、また違った反応もあるからな。断ったのに、変な人!?と怪しむ視線。それとは逆によく顔見てなかったけど、カッコイイかも?と期待の視線。それとか…、前に会った事が…と探る視線。…ま、色々考えられるよね。『隣りに男の子に座られ、顔を上げた女の子はその人を見た。』って、台本に書かれてあっても演じるのは大変だよな。」