海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「誰か知りませんけど…、邪魔しないで下さい。」

仁藤はそれだけ言うと、台本に目を戻した。

浩二は、少し吹き出した後、仁藤の隣りに座った。

文句を言おうと再び視線を上げた仁藤に、

「それだよ、足りない物は。」

と、浩二は笑みを浮かべた。

「えっ!?」

キョトンとする仁藤に浩二は言葉を続けた。