「こうちゃんが…どうしたの?」 「活字だけの同じ台本から、いくつものストーリーを考えるのかな?実際、今日のは部長の考えと一緒だったろ?俺は親友にはどこか手加減すると思ってた。…でも、話の流れは友情を失くしてまでも恋人を全力で守るものだった…。」 「だからね…、こうちゃんは違うのよ。」 汐莉は、福永の手を掴みながら横に並ぶとまた歩き始めた。 それにつられるように、福永も足を前に出して行った。