「なまこ言うな!劇をやめたお姉ちゃんなんて…、死んだも同然なんだもん。ギイギイギイフーギイギイフー。」。

真愛は、膨れっ面になりながらも、二人が真似ている宮沢賢治の『双子の星』に出てくる、なまこにされる前の彗星(ほうきぼし)の口癖!?を語尾につけてみせた。

「えっ、なんで?なんで、あんなに大好きだった劇を…。劇団にだって…。」

浩二が真愛の口まねにツッコまずに驚いた時、浩二の携帯が鳴った。

「もう……、あれ、しぃーちゃんから……ごめん、ちょっと出ていい?」