海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



仁藤の頬には次から次へと涙が流れた。

その声に、部員や旅館の人が集まってきて、浩二の探索が始まった。



「なぁ、松浦…、そんなにヤバいのか?」

旅館から駅に向かって、浩二を探す汐莉と福永。

その中で、福永が問いかけた。

「1年生には、さっき言ったんだけど……。こうちゃんは元々感情に流されやすい子だった…。幼稚園の時ね、私が飼ってたハムスターが死んじゃってね…。こうちゃんと一緒にお墓作ったの…。」