海の唄が聴こえる夜〜想いを君に伝えたい〜



「解決!こうちゃん、貸し1…いや、10くらいかな。ちゃんと、もえちゃん連れて来たし…。1年生謝りたいって外に……。」

意気揚々と男子部屋に入ってきた汐莉は、硬直した福永が目に入った。

「たっ君…どうしたの?」

その声に、福永は振り向きながら布団を指した。

「松浦がいない…。」

布団の上には、浩二と福永のスポーツバックがあった。