真横でひっくり返ってた男は、青ざめた顔で呆然とウォルフを見上げる。


「ちょっとウォルフ~‥?私もいるんだけどー‥?」


一応言ってみたけどまるで眼中になし。

ウォルフはただ男を見下ろし、片手を腰に当ててふんぞり返ると、


「――ふはははァアーっ!」


片手に剣を持ったまま狂ったように笑いだす。


その笑い声が響き渡るこの辺り一帯を見回せば、クレーターで穴ぼこだらけだった。

思わず私まで唖然となる中、ウォルフが手に持った剣を振り上げるのを見て、私は腹の底から叫んだ。



「――‥だから私もまだいるんだっつぅのぉ! やぁめぇんかぁーーーッ!!」


「――あぁん?」



ウォルフがそこで初めて私に気付いたように顔を向けた時にはもう時すでに遅し。



「あ、ワリ‥」


「こぉの野蛮人ウォル――‥


「「――‥フぎゃーーーーーッ!!」」




再びその場に断末魔のような叫び声が響き渡り、大地は何度目か分からない爆発音で揺れ動き、

私はこてんと失神した。