剣で戦っているはずなのに一体なぜ‥

第三者が見ればそう思うだろうけど、なぜなのかは何となく想像できた私は、恐る恐る振り返り、次の瞬間――‥



「「ふぎゃーーーーーッ!!」」



悲惨な悲鳴と、ウォルフが闘ってた相手と共に、文字どおり吹き飛ばされた。



どかーん、ばさーッ(←倒れた音。)



「――‥い、痛い‥」


もこもこと上がる埃と塵にゲホゲホ言いながらゲンナリしつつ顔を上げると、さっきまで私が居た場所に生えてた木が根っこから倒れていた。


「‥‥‥。
 ‥あー‥ウォルフ‥?」


頭痛がする私の声はあの男の耳には届かない。

すぐ近くで、ズシャリと靴で地面を踏みしめたウォルフ。

その喜々とした目には、哀れなほどに震える隣の男しか映ってない。