だから私は、その愛しくも自信に溢れたウォルフには答えなんてあげない。

‥さっきまでの弱々しいウォルフには言ってあげようと思ったのに。


そう思いながら私は涙をぬぐい、小さく笑み浮かべた。




「おいで、ウォルフ。

頬っぺた、治したげる」



一瞬だけ驚きに目を見張った私のウォルフは、直ぐに女好きな笑みを返してくる。


「泣いた理由言えば優しくしてやろうと思ったが‥‥‥。
ナマイキなミィリィだと痛い目合うぞ?」


私は挑戦的な視線を向け、ウォルフの長い銀髪を引っ張った。


「私にならヤられてもイイんでしょ?」

「本気で生意気だな‥」



きゃー!と私の笑い声が部屋に響き渡った。