ウォルフとワタシ


そのまま止まらず歩き続ける。


「――‥おい、アンタッ!
いったいこれから何処行くってのよッ!!」


私の大声を聞いて、


「そんなんホテルに決まってんだろぉが!」


ウォルフはキレ気味の口調なのに、上機嫌な様子で振り返った。

振り返って、私と視線が合った途端。

その大きな身体がピキーンと固まる。



「‥え‥、‥ミィリィ‥?」



私と目が合った水色の瞳がウロウロとさまよう。

そして、



「――‥こんの‥っ、

‥女ったらしウォルフがぁーッ!!」



私が思いっきりそう叫んだ瞬間、

その顔が心底驚いたような表情になった。


「おっ、おいッ! ミィリィーッ!!」


ウォルフの呼ぶ声なんて無視。

私は全速力で駆けだしていた。