携帯電話の画面を見つめ
操作しながら早歩きで歩く
空は、エレベーターから
降りて来た女性にぶつかる。

「あっ、ごめん
 ウズキ・・・」

「痛い、ソラ?久しぶりね
 
 あなた、何をそんなに
 急いでるの?」

「野暮用・・・」

卯月が空の携帯電話を覗くと
ユラ時々ヒワさんの文字と
番号。

「彼女と仲直りできた
 みたいね、よかったぁ

 再々出発にいい知らせを
 聞けて、ほんと良かったわ

 ずっと寝覚めが悪かったのよ
 
 これで罪悪感を持たずに
 心置きなく旅立てるわ」

「再々出発
 
 旅立つってどこへ?」

「私、卯月はこの度
 仲間と一緒に新しい事務所
 を立ち上げることにしたの

 しばらく活動の拠点を
 ロスに移すわ
 そっちで暮らすつもり」