白緑蝶"Ice green butterfly

ユラ・・・
 
おまえは今、体を硬直させて
後ろを警戒している。

頭の中を巡らせる・・・


コトン

私の前に置かれたグラスには
水は一滴も残ってない。

そんな事は、どうでもいい。

私は今、誰かに後ろから
抱きしめられている。

私を抱きしめる腕は、男性。

抱きしめられた、この感触
この感覚を私は知っている。

この香りを知ってる。

「ヒワ、どうした?」

「おまえは・・・」

ユラの叫ぶ声に驚き、慌てて
厨房から出てきたかっちゃん
の声と真澄の声が重なる。

私はさっと瞳を押さえた後
前だけを見つめ、貴方の名
を口にする。